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個別レポート

快適性の評価 について

2018/04/18
オフィス環境

 

快適性の評価

 

  近年、労働環境が多様化する中、政府は「働き方改革」を推進している。その背景としては、

 

 ・日本の生産年齢人口が1997年を境に減少

 

 ・先進国と比べ、日本の労働生産性が低い

 

 ことなどが挙げられるが、今後は、労働者の執務環境の快適性・健康度・満足度・効率性などに配慮し、労働者が快適な環境の中で創造的な業務に高い生産性をもって携われるよう、配慮する必要がある。

 

 建物や空間の快適性の評価には、様々な指標が提唱されているが、以下3つの指標について紹介する。

 

 

 

①PMV(Predicted Mean Vote:予測温冷感申告)*1)

 

人の暑さ寒さに関する温熱環境についてどのくらい快適かを評価する指標として、デンマーク工科大学のFanger教授の提唱による    PMVPredicted Mean Vote,予測温冷感申告)およびPPDPredicted Percentage of Dissatisfied,予測不快者率(その温熱環境に不満足・不快さを感じる人の割合))があり、この指標はISO77301994)にもなっており、オフィス作りの温熱指標の国際標準にもなっている。
 人間の体温調節に影響を与える要素を「温熱環境要素」と呼ぶが、温熱環境要素は、空気温度,湿度,放射,気流の

 

4つの環境側の要素と,在室者の着衣量と活動量の2つの人間側の要素とされている。快適方程式に、この6つの要素を代入すると、人間がその時暖かいと感じるか、寒いと感じるかを「7段階評価尺度による数値」で表わされる。PPDは、人間がある暑い寒いの状態の時に何%の人がその環境に不満足かを表すのに用いられる。PMV-2から+2の範囲内の温熱環境評価に用いるのがよい。ISOの標準では、PMV±0.5以内、 不快者率10%以下となるような温熱環境を推奨している。

 

 

 

②経済産業省 健康経営オフィスレポート*2)

 

  健康経営を

 

「従業員の健康保持・増進の取組みが、将来的に収益性等を高める投資であるという考えの下、従業員の健康管理を経営的な視点から考えて、戦略的に取り組むことです。企業が従業員の健康づくりを経営的な視点でとらえ、戦略的に取り組む事は、従業員や組織の活性化をもたらし、結果的に企業の業績向上や株価向上につながることが期待されます。また、国民のQOL(生活の質)の向上や国民医療費の適正化など、社会課題の解決にも貢献することができます」としている。

 

健康経営オフィスを、

 

「健康経営オフィスとは、健康を保持・増進する行動を誘発することで、働く人の心身の調和と活力の向上を図り、ひとりひとりがパフォーマンスを最大限に発揮できる場のことです。WHO(世界保健機関)によると、「健康とは単に病気でない、虚弱でないというのみならず、身体的、精神的そして社会的に完全に良好な状態」と定義されています。健康経営オフィスも、単に疾病予防に貢献するだけでなく、従業員、そして企業がよりイキイキと活気溢れる状態へ導くことを目指しています」としている。

 

健康経営オフィスに必要な7つの行動として、

A.快適性を感じる

B.コミュニケーションする

C.休憩・気分転換する

D.体を動かす

E.適切な食行動をとる

F.清潔にする

G.健康意識を高める

 

を推奨しており、それぞれ期待される健康増進効果として、運動器・感覚器障害の予防・改善、メンタルヘルス不調の予防改善、心身症(ストレス性内科疾患)の予防・改善、生活習慣病の予防・改善、感染症・アレルギーの予防・改善を挙げている。

 

 

 

③経済産業省 健康経営銘柄*2)

 

「健康経営とは、従業員の健康保持・増進の取組が、将来的に収益性等を高める投資であるとの考えの下、健康管理を経営的視点から考え、戦略的に実践すること。 」

 

「健康投資とは、健康経営の考え方に基づいた具体的な取組。」

 

「企業が経営理念に基づき、従業員の健康保持・増進に取り組むことは、従業員の活力向上や生産性の向上等の組織の活性化をもたらし、結果的に業績向上や組織としての価値向上へ繋がることが期待される。」

 

とある。

 

本取組では、「東京証券取引所の上場会社の中から「健康経営」に優れた企業を選定し、長期的な視点からの企業価値の向上を重視する投資家にとって魅力ある企業として紹介をすることを通じ、企業による「健康経営」の取組を促進することを目指しております。経営から現場まで各視点から健康への取り組みができているかを評価するため、「健康経営が経営理念・方針に位置づけられているか」「健康経営に取り組むための組織体制が構築されているか」「健康経営に取り組むための制度があり、施策が実行されているか」「健康経営の取り組みを評価し、改善に取り組んでいるか」「法令を遵守しているか」などの観点から評価を行います」とある。

 

 

 

*1)図解空調・給排水の大百科 空気調和・衛生工学学会編

 

*2)空気調和・衛生工学会 2017 Vol.91 No.10 「快適性を評価する考え方とその指標 (2)快適性を評価する新しい考え方」 田辺新一 早稲田大学